今回は商品開発の簡単なやり方をお伝えします。
身を置く業界を見つけたら商品を作るわけですが、商品開発のやり方を知らないと全く売れない商品作ってしまうのでご注意。
ちなみに、あなたにとって最適な身を置く業界は「やりがいある仕事の選び方」で見つける方法をお伝えしてますので参考にしてください。
新しいニーズを発見するだけではすぐに競合に負ける
はじめて起業するときにアイディアばかり追いかけてしまう場合があります。
ニーズや課題を見つけて、それを解決する方法を思いついて「これで儲かるはずだ!」というやつです。
もしそれが誰も手をつけていない課題で、解決策を商品化して提供すれば一時的に上手く行くと思います。
しかし、競合が出てきたら一気にやられる可能性が高いです。
競合に解決方法の効率で負けたら、太刀打ちできなくなるのです。
これを回避する方法はいくつかありますが、今回は顧客視点における解決方法の効率最大化という最強のイノベーションについて考えていきます。
※他にも特定市場の独占マーケティングなど、回避策はあります
ニーズや課題を解決するためのアプローチの効率化で市場を塗り替える
顧客視点で見ていきましょう。
最近ノウハウを商品にして商売している市場が増えていますね。
2012年くらいからアフィリエイトが流行して、情報商材が売れ始めた時期からでしょうか。
その前からこうした商売はありましたが、ネットの普及でオンライン上でノータイムでやり取りできるようになって活発になりましたね。
極論ですけど、例えばみんな火の起こし方がわからない社会で、「火の起こし方」というマニュアルが販売されていたとします。
みんな火の起こし方がわからなかったので喜んでマニュアルを買っています。
顧客がたどる体験(UX、ユーザーエクスペリエンスなんていいます)としては、
マニュアル購入→知識インプット→スキル習得→実践→火を起こす
となります。
たくさんの人がマニュアルを買って、木の棒を両手で挟んでコロコロして、種火を作って、枯れた木の皮に種火を移し、どんどん火を大きくすることができるようになりました。
今はそれ以外に方法がないとすると、みんな喜んでいますけど、ぶっちゃけ
めんどくさくないですか?
火を起こすなんて自分でやってたら時間もったいないですしね。
というわけで、ライターが開発されました。
顧客がたどるUXは、
ライター購入→火を起こす
かなり短縮されまして、普及して価格が下がりまして、「火を起こすためのマニュアル」は売れなくなりましたとさ。
市場が塗り替えられて、革命が起きました。
この革命を起こすのが一番手っ取り早い成功手順です。
課題解決のアプローチは11個ある
細かく話すとさらにたくさんあるのですが、おおまかに11個の課題解決アプローチをリストアップしました。
以下の画像を見てください。顧客視点のアプローチの図です。
どうですか?汚いですか?読めないですね。
解説します。
まず「課題」があってそれを「解決」するという目標があります。
「解決」に至るまでの手段として「スキル」「知識」「ツール」があり、「行動」フェーズを通るか否かに分かれます。
「知識」を得る、「スキル」を習得する、自ら「行動」する、という過程には、
・時間がかかる
・面倒
というバイアス(抵抗)がかかり、お客さんにとっては避けたい部分です。
バイアスがかかるほど価値は低いと考えてください。
11種類の課題解決アプローチ
ルート①:「課題」→「スキル」→「行動」→「解決」
すでに課題を解決するためのスキルを持っている場合です。行動をして解決します。「行動」バイアスがかかってます。
ルート②:「課題」→「スキル」→「解決」
すでにスキルを持っていて、ノータイム(実行時間ほぼ0)で解決できます。
ルート③:「課題」→「知識」→「スキル」→「行動」→「解決」
最悪の課題解決アプローチ。マニュアルなど商品が当てはまります。お客さんはマニュアルを買い「知識」インプット、「スキル」習得、自分で「行動」するという3重苦を経験します。
ちなみに、ここでは「言語」をツールから省いて解説しています。ルート③は私が「言語の限界」と呼んでいる形です。伝えるツールとしての言語のみでの解決は相手に必ず3重苦を経験させることになります。
だから3000年前から言語でしか解決できない課題はなくなっていません。人とうまくコミュニケーションをとる方法とか。詳しくはこちら→伝達ツール「言語」の限界!意図的な言語知識の吸収で能力差をつけろ
ルート③は重要なので覚えておいてください。
ルート④:「課題」→「知識」→「スキル」→「解決」
ルート③から、行動の効率化をはかりノータイム(実行時間ほぼ0)で解決できるスキルを身につけます。バイアスは1つ減りましたが、知識インプットとスキル習得のバイアスがまだきついですね。
ルート⑤:「課題」→「知識」→「行動」→「解決」
スキル習得のいらない素晴らしい知識を使って、自分で行動して解決する方法です。おばあちゃんの知恵袋。ひと手間かければ解決する、という感じですね。「伊藤家の食卓」を思い出します。
ルート⑥:「課題」→「知識」→「解決」
おばあちゃんの知恵袋の集大成。超簡単に知識だけで面倒な作業ほぼ0で問題解決します。「ほうれん草は上下逆に置くと痛みにくい」的な?近くの八百屋で上下逆に置いてあっただけなので実際どうなのかは知りませんが(笑)
ルート⑦:「課題」→「ツール」→「知識」→「スキル」→「行動」→「解決」
大変な感じがしますが、たいていの場合ツールによって知識インプット、スキル習得がかなり楽になります。工具なんかがこのルートです。モンキーレンチというツールがあって、使い方を学んで、上手に使うスキルを習得して、行動することによってボルトを締めたり外したりします。
ここから「ツール」が登場しますが、これが「言語の限界」を突破させます。「太古から変わらず人間が抱える悩み」と「発展し続ける技術」の間にどんな差があるかと言ったら、言語以外のツールがあるという点です。ツールを作ることが現代の課題です。
ちなみに、未来に向けた課題として、ツールを自動的に作り出す媒体が生まれるのですが、これがAIです。人間の計算能力を超えた瞬間、人間は考える必要がなくなります。これはまた別の話。
ルート⑧:「課題」→「ツール」→「知識」→「行動」→「解決」
スキルいらないパターンです。使い方だけわかれば誰でも解決できちゃうツールです。上記ルート⑦のモンキーレンチは力のかけ方とか少しスキルがいりますが、インパクトドライバー(電動ドライバー)はさらにスキルが不要になって行動も短時間になりました。ルート⑦からルート⑧の変革もありがたいですね。
ルート⑨:「課題」→「ツール」→「行動」→「解決」
さらに知識もいらなくなりました。感覚的に使えるツールという感じでしょうか。ルート⑧との差はあまりないです。ただ、知識インプットのバイアスがでかいルート⑧に対する変革としてはありがたいですね。
ルート⑩:「課題」→「ツール」→「知識」(→「スキル)→「解決」
使い方は難しいけど、自動的に課題が解決できるツールです。かなり魔法っぽくなってきました。価値高いですね。使い方をしっかり学んで、上手に使うとほぼ自動的に課題が解決されていきます。ちょっと図の⑩がおかしくなっててすみません。
例えば、原子力発電所なんかがこれにあたりますかね。「電力を起こしたい」という課題に対し、「原子力発電所」というツールを使い、正しい知識とスキルを持って管理して自動的に「電力を起こす」というルートです。
ルート⑪:「課題」→「ツール」→「解決」
完全なる魔法の世界です。でも現実にこのルートで解決できている課題はたくさんあります。
「洋服を洗濯したい」という課題に対し「全自動洗濯機」を使って自動的に「洗濯完了」です。
電源入れて「スタート」を押すだけなので、ほぼノータイムです。これ以上の解決策はありません。
また、代行サービスもこれに当たります。顧客視点です。お客さんはサービスにお金を払い、ノータイムで課題を解決できます。
以上が課題解決のアプローチ全11種類です。
※画像には幻のルート⑫が記載されていますが、ただのミスです(笑)
③ルートを⑪ルートへ変革。これぞイノベーション!
上記のルート解説を見ればわかると思いますが、最高のイノベーションはルート③で解決している現状をルート⑪へ変革することです。一番大きな価値を生み出せます。
簡単に言えば、マニュアルとか本で得られるような知識→スキル習得→実践の情報を「自動処理ツール」を作るか「代行サービス」を作ることで解決してあげれば良いということです。
この仕組みがわかるとビジネスアイディアなんて無限にあることがわかります。
自分でもこの記事を書いていてちょっと恐いです。これを読んだ人とアイディアがかぶってしまうことがあるかもしれませんからね(笑)
ただ、この記事自体がルート③なので、読んで学んで習得して実行する人なんかほとんどいないことはわかっていますから、大丈夫でしょう(笑)
基本的にノウハウのみを垂れ流してる市場は簡単に変革することができます。←でかいヒントだ!
すでにあるサービスですが「家事代行サービス」を考えてみましょう。
「洋服を洗いたい」という課題に対して「全自動洗濯機」というツールはありますが、1段階抽象度を上げると「汚れた服を再度着られる状態にする」という課題があります。
洋服を洗うだけならノータイムですが、服を洗濯機に入れる、洗剤を入れる、洗濯された洋服を干す、取り込む、たたむ、という課題は自動化できていません。
そこで「汚れた服を再度着られる状態にする」という課題にたいして「家事代行サービス」を提供します。
顧客視点だと「家事代行サービス」というツールを使うことでノータイムで解決することができるわけです。
「服をたたむ」なんてのは結構面倒ですよね。
「知識(たたみ方)」、「スキル(たたむ技術)」、「行動(たたむ)」、解決。面倒だ!
家事代行素晴らしいですね。
知らない人が家に来るのが嫌!とかって課題が残りますが、そこらへんも解決できなくはなさそうです。
ルート③の見つけ方は以下のようなものがあります。
・マニュアルが販売されていて売れている
・書籍が販売されていて売れている
・口伝で伝わっているが一部の人しか知らないできない実行しない
です。
すべてのルート③が⑪に変革できるわけではありませんが、できるものは山ほどありますので探してみてください。
その他アプローチの効率化は5種類ある
ルート③が⑪に変革できない場合もありますし、その他のルートを変革する方法で価値を生み出すこともできます。
例えば「料理ができるようになりたい!」という女子の願望をルート⑪で「料理ができるようになるツール」を開発するとなんかグロテスクな話になってきます。
料理のレシピを脳に直接インプットし(知識インプットの自動化)、肉体改造手術と倍速仮想トレーニングによって今すぐ調理技術を習得する(スキル習得の自動化)みたいなサイボーグ的な話になります。
これ、女子は望んでません(笑)
頑張って勉強して、練習して、料理のできる女子になってやる!という過程にも価値があったりします。
その過程をプロデュースしたのがABCクッキングスタジオですね。
先ほどお伝えした以下のバイアスを確認しましょう。
・時間がかかる
・面倒
知識インプット、スキル習得、行動の3つは大概上記のバイアスがかかります。
しかし、「面倒」を「楽しい」に変革することができると一気に状況は変わります。
楽しく知識をインプット、楽しくスキル習得、楽しく行動実践、です。
自動的に「時間がかかる」というバイアスは「時間かけたい!」に変わります。楽しいから。
ちなみに、このバイアスの変化ができることを仕事にするといいですね。
課題の解決は達成欲求的で、達成したら十分なわけですが、行動自体が楽しいということは継続欲求があるということです。
継続欲求は自然な「成長」(知識やスキルの向上)につながります。
仕事にしたらいいですね。
というわけで、その他のルート変革方法は以下です。
「知識インプット」「スキル習得」バイアスの効率化
ルート④:「課題」→「知識」→「スキル」→「解決」
ルート⑥:「課題」→「知識」→「解決」
この2つルートにおけるバイアスを効率化します。ルートの変革は無しです。
知識インプット、スキル習得の効率を最大化させます。
プログラミングのオンラインスクール、「ドットインストール」なんかはこれに当たりますかね。
本や学校で勉強していたプログラミングを、オンラインでサクッと学んでしまえるようにしてしまいました。
方程式、フレームワークなどもこれに当たります。
0から三角形の面積を求める人はほとんどいませんね。
底辺x高さ÷2で答えを出します。
最近、スタートアップ起業のフレームワークがかなりわかりやすくなってますね。
リーンスタートアップとか、「起業の科学」という本はおすすめです。
バイアスを無くす変革はとてもありがたいですね。
「行動」バイアスの短縮
「行動」フェーズを通るルートを、「行動」フェーズの通らないルートに変革する方法です。
また、「行動」フェーズを効率化するのも素晴らしい変革となります。
「ドライバー」→「インパクトドライバー」という変革は「行動」バイアスを大幅に短縮していますね。※ルート⑧→ルート⑩への変革
バイアスを無くすことは大きな価値を生み出しますのでお勧めです。
「ツール」を作る
ルート①~⑥の課題解決アプローチを⑦~⑩のどれかに変革します。
簡単に言えばツールを生み出すということです。l
①~⑥は言語での知識、スキルの伝達が行われているルートなので、ツールを使ってバイアスの効率化や消去します。
言語での伝達は顧客側に「学ぶ意思」「練習する意思」「習得する才能やセンス」が無いと価値を提供できませんが、「ツール」でバイアスをなくせば意思やセンスに関係なく価値を提供できるようになります。
人間が発達させているものは「ツール」だけです。
考え方、思考プロセス、計算能力は何千年も前から変化していません。
伝達ツールとしての「言語」はとうに限界を迎えており、新たなツールが生まれなければ大きな課題は解決できません。
バンドル化、抽象度を上げてサービス化
複数のルート⑦、⑧をバンドル化してサービスにする方法です。
「モンキーレンチでボルトを緩める・締める」「インパクトドライバーでねじを締める緩める」など複数ルート⑦⑧をまとめて「エアコン工事」などの「ツール(サービス)」に変革します。
「ワンストップで解決!」という言葉を聞いたことがある人もいると思います。
WEB集客をワンストップで解決する会社なんかがそうですね。私の知っている集客会社はWEB広告、オウンドメディア、LP製作、その質をあげるための商品開発サポートまでやってます。
お客さんがやることは金払うだけ!って感じですかね(笑)
注意点は起業サポートみたいな、終着点が「収益」の場合、お客さんに支払い能力だけでなく、その他のメリットが無いとやる意味がありません。
全てを変わりにやって、お客さんが収益を得るのであれば、それは自分でやった方がいいでしょう、という理屈です。
※ただ、人と関わって全くメリットが無いなんてことはありませんのでやり方はあります。
エンターテイメント化
「面倒」→「楽しい」に変える変革です。ABCクッキングスタジオみたいな感じですね。
去年はじめてユニバーサルスタジオジャパンに行きました。あれはディズニーランドよりも大人が楽しめる感が強い気がします。
「家族サービスしたい!」で遊園地を選んだりするわけですが、大人も楽しめるのであれば「面倒」というバイアスがなくなりますね。
ただの英会話スクールよりも、英語の勉強ができるゲームとか、英語で遊びながら自然に勉強ができるカリキュラムの方がいいですよね。
単語帳で英語覚える前に、ハリーポッター1冊翻訳しながら読んでみたら?みたいな。
「知識」「スキル」「行動」のバイアスをエンターテイメント化することで消去します。
時間が惜しい人には「効率化」の方が良いかもしれませんが、つらいのが嫌な人には「エンターテイメント化」の方がいいです。
またはその両方という手もありますね。
まとめ
結論としては顧客のバイアスがかかっているところを改善すればいいということになります。
「言語」で済まそうとしている市場にはバイアスが蔓延している可能性が高いです。
言語というのは、ノウハウ、マニュアル、本などのことですね。動画とか音声もそうです。
代わりにやってあげる「ツール(サービス)」を作ってしまえば、変革が起こり大きな価値が生まれます。
※スキル習得自体が課題になっている場合は例外
今回は以上です!