今回は、あなたの中にある欲求をすべて洗い出す方法をお伝えします。
仕事選びに失敗して人生をつまらなくしたり、起業しても大きな結果が出せるほどの行動力がなかったりする人のほとんどが、自分のことを知らなすぎます。
何をすれば楽しいと思えるのか、やりがいを感じられるのかを知ることができれば仕事はどんどん楽しくなっていきます。
欲求を洗い出す理由のおさらい
まずは、なぜ自分の欲求を把握しておかなければいけないのかをおさらいしておきましょう。
一番大事な原則は「人は欲求を満たすために行動をする」ということです。
欲求がなければ行動をしません。
つまり、自分の欲求を把握していれば、行動選択の根拠になります。
仕事は人生の時間の大部分を占めますので、仕事選びは人生最大の行動選択とも言えます。
できるだけ多くの欲求を満たすような仕事を選ぶことで、行動力とモチベーションが高まり、やりがいと楽しさを感じながら成長と結果を生み出すことができるようになります。
もう一つの大きな理由は「欲求は欲求同士で満たし合う性質がある」ということです。
ほとんどの人は1つだけの欲求を根拠に行動を決めようとします。
簡単な行動なら問題はありませんが、こと仕事に関してはそうはいきません。
多くの時間を使い集中的に取り組むことになりますので、1つの欲求をもとに行動すると他の欲求が犠牲になってしまう可能性が高いです。
1つの欲求が犠牲になると、他の欲求にも伝播していて満たされにくい状態になってしまいます。
欲求が満たされないと、行動力が下がり、成長も結果も生み出せない負のサイクルに陥ってしまいます。
人は1番大きな欲求以外の欲求は意識外にあって忘れがちです。
さらにその1つの欲求ですら、少し時間が経てば忘れてしまうものです。
だから、すべての欲求を洗い出して紙に書いておき、常に確認できる状態にしておくことが重要になります。
仕事だけでなく、ライフスタイルや人生すべての行動において、その欲求リストを確認して選んでいきましょう。
何か1つに集中し過ぎて、他の欲求を犠牲にしないように、バランスよく物事を進めて、行動力を高めつつ成長と結果が出せるような活動ができるようになります。
欲求を洗い出す方法5つの手順
さぁ本題です。欲求を洗い出していきましょう!
手順は以下の5つです。
①とりあえず思いつく範囲で書き出す
②欲求リストを使ってさらに書き出す
③出てきた欲求を何度も分解する
④すべての欲求に「十分満足ライン」を設定する
⑤強い欲求に丸をつける
それぞれの手順を詳しく説明していきます。
①とりあえず思いつく範囲で書き出す
まずは、なんの固定概念もなく、「○○が欲しい」「○○がしたい」と思うことを書き出してみましょう。
夢や理想、目標なんかでもOKですし、今一番足りていないものを書くのもOKです。
例えば、「お金が欲しい」とか「有名になりたい」とか。
それこそ「やりがいのある仕事がしたい」とかでも大丈夫です。
ここではあまり大量に出てこなくてもいいので、とりあえず欲しい物やしたいことをざくっと書いていきましょう。
いろいろ知識が入ってくる前に欲求を出してみたい人は、街を適当に散歩してみるのも良いと思います。
欲しいと思うことがあったらメモ、やりたいと思うことがあったらメモしましょう。
取るに足らないことでも書いてください。小さな欲求でも満たすことができればその他の欲求を満たしやすくなりますので、たくさんある方がいいです。
できたら3日くらいかけてのんびりやった方がいいです。
欲求は出てきたり消えたりを繰り返しますので、ある程度時間をかけないと後で「あ、これ書くの忘れてた!」となってしまいます。
第一段階はこれで終了です。
②欲求リストを使ってさらに書き出す
ここからが本番です。欲求のリストを使って、普段は意識しないような欲求を洗い出していきましょう。
人間の欲求について研究している人はたくさんいて、どんな欲求があるかがリスト化されています。
ちょっと量が多くて大変ですがこちらが参考になります→https://swingroot.com/murrays-psychogenic-needs/
これに全部当てはめたらほとんどの欲求が出てくると思いますが、ちょっと言葉が難しくてなんの話かわからない部分もあります。
私が簡単にまとめた重要な欲求がありますので、以下を参考にしてください。
ツカがまとめた「重要な欲求」
①お金
→お金がないと生活できませんので、とりあえず「お金が欲しい」とだけは書いてください(笑)
②他人からの気持ち
→「尊敬」「信頼」「愛(友人や家族も含めて)」など、他人からどう思われたいかを書きましょう。人によっては「変わった人だと思われたい」なんて欲求もあると思います。
③自己実現
→「夢・理想」「スキル」「知識」「立場」「権力」などを書きましょう。
④今までの人生で集中して取り組んだこと
→今は好きじゃなくても何かしら興味を持った事実があります。習い事や趣味などやったことを書いておきましょう。今取り組んでいることも書きましょう。
⑤今までの人生で不満に思ったこと
→不満は欲求の裏返しです。不満をもったということは「もっと〇〇したい」「もっと〇〇であってほしい」という欲求が隠れています。
⑥助けたい人・喜ばせたい人
→誰を助けたいか、誰を喜ばせたいかを書きましょう。どんなことで助けたいのか、喜ばせたいのかも書いておきましょう。
⑦健康→死ぬ直前まで元気でいたい!と書いておきましょう^^
以上が重要な欲求です。人によっては他にもあると思いますので、はじめにご紹介したサイトの記事も参考にしてください。
感情や経験から欲求を洗い出す
もうひとつ欲求の洗い出し方を紹介します。
感情や経験ベースから欲求を見つける方法です。
・好きなこと
・興味のあること
・解決したいこと
この3つをたくさん書き出し、分解することで欲求を見つけ出します。
ちょっと大変ですが必ずやってください。
STEP1:好きなことを書き出す
やっていて楽しいと思うこと、近くにあると嬉しいことなどをすべて書き出しましょう。
生まれてから今までやってきたことを一度書き出してみて、少しでも熱中したことがあれば書いておきましょう。
今は好きじゃなくなったことでも、後で分解して具体的にしていった時に、なぜ好きになったのかがわかるかもしれません。
あんまり出てこない人は以下の好きなことの具体例を参考にして、当てはまるものがあったら〇をつけてみましょう。その項目を書き出して、細かく具体的にしていくと好きなことが見つかります。
・好きなことの例
スポーツ、漫画やイラスト、写真、グルメ、音楽、格闘技、お酒、インテリア、車、ガーデニング、キャンプ、登山、釣り、サバゲー、ダーツ、ビリヤード、アイドル、映画、美術、ミュージカル、ハンドメイド、DIY、書道、模型、プラモデル、小説、モデルガン、トレーディングカード、旅行、水族館、城、カラオケ、楽器、パチンコ、料理
ディズニー、海、山、空、時計、アクセサリー、apple製品
STEP2:興味のあることを書き出す
ここでは「興味のあること」を書き出します。好きなこととは違って、やったことがないけどやってみたいことや、使ってみたいものなどを書いていきましょう。
趣味なども書いていきますが、ビジネス寄りなことも含めて考えてみてください。
・興味のあることの例
メイク、アロマ、プログラミング、外国語、ダイエット、資格取得、FX、仮想通貨、株、不動産、電子書籍、心理学、歴史、パソコン、その他ビジネス系
STEP3:解決したいことを書き出す
ここでは「解決したいこと」を書き出します。
家族の問題、仕事の問題、友人や知り合い、自分のことでも構いません。
状況を良くしたいと思うことについて書いていきましょう。
・解決したいことの例
会社の人間関係、収入、家族との関係、成長、恋愛、体重、仕事全般、戦争、地域の過疎化、温暖化、子供の安全、待機児童、学校教育、休暇、働き方、夢や目標、モチベーション、行動力
ここで書き出したことは次の段階で分解して具体的なものに変えていきます。
③出てきた欲求を何度も分解する
ここでさらに欲求が倍増…いや5倍くらいに増えていきます(笑)
出てきた欲求や感情、経験をすべて細かく分解していきます。
以下の画像をご覧ください。
「スポーツが好き」という感情を分解しています。
おそらく「バドミントン」や「野球」などまでは書いた方も多いと思いますが、末端をご覧ください。
「バドミントンのダブルスにおける早い展開の試合が好き」とか、「野球のバッティングでキレイなスイングをしてレフトオーバーを打った時が最高!」などは、かなり具体的だと思います。
ここまで分解ができると、あなたがなぜそのスポーツを好きなのかがわかります。
私の場合は、バドミントンについてはダブルスのスピード感を増していく練習をすれば欲求を根拠にした上達の仕方をしていきます。
また、野球についてはきれいなスイングを練習してレフトオーバーが打てるように練習すれば良いとわかります。
これらの練習を極めることができたらプロになったり、コーチになったりできますね。
ここまで具体的にして、練習・成長・結果を楽しみながら行動していけば上達も早くなり、到達点もぐっと高くなるのがわかるはずです。
「野球好き~!練習する~」って言ってる子と、「きれいなスイングでレフトオーバーを狙って練習する!」って言ってる子だと、最終的な到達点が大きく違うのがわかりますよね。
ただただ遊びでバドミントンをやっている子と、スピードを求めてダブルスにこだわる子だったら到達点はやはり違います。
ちなみに、私はプロでもコーチでもありません。この点は次の段階で「十分満足ラインを設定する」ことによってバランスを取っていきます。
これ以上は無理と思えるところまで欲求や経験・感情を分解して具体的なものにしましょう。
極限まで分解すると、行動の根拠となる欲求が出てきます。
この欲求をもとに行動を決定すると、行動がとても楽しいものとなり成長と結果につながっていきます。
④すべての欲求に「十分満足ライン」を設定する
欲求を際限なく満たそうとすると人生のバランスが崩れます。
有名なのはAppleの創業者スティーブジョブズです。彼が病床で最後に言った言葉が以下です。
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「他の人の目には、私の人生は、成功の典型的な縮図に見えるだろう。
しかし、仕事をのぞくと、喜びが少ない人生だった。
私がずっとプライドを持っていたこと、承認(人に認められること)や富は、迫る死を目の前にして色あせていき、何も意味をなさなくなっている。
今やっと理解したことがある。人生において十分にやっていけるだけの富を積み上げた後は、富とは関係のない他のことを追い求めた方が良い。
もっと大切な何か他のこと。それは、人間関係や、芸術や、または若い頃からの夢かもしれない。
終わりを知らない富の追求は、人を歪ませてしまう。私のようにね。
私が勝ち得た富は、(私が死ぬ時に)一緒に持っていけるものではない。
私が持っていける物は、愛情にあふれた思い出だけだ。」
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これを見ると、やはり欲求はできるだけたくさん満たす必要がある、とわかります。
この言葉が出てくるということは、欲求の犠牲に目をつむっていたということでしょう。
欲求には「十分満足ライン」を設定する必要があります。
ここまでに書き出した欲求に「これだけあれば満足できる」というラインを設定しましょう。
例えば、私の場合は年収3000万円あれば完全に満足できる、という設定をしています。
もちろん仕事の好調によってこれ以上になったらありがたいですが、お金に対する欲求については目標ラインをここにして、それ以上になったら気にしないことにします。
人によっては「高級外車に乗りたい」なんて欲求がある人もいるでしょう。
どの車なら満足できるか書いておきましょう。
ベンツCクラスでいいのか、はたまたSクラスなのか。
でないと、際限なく高級なものを求めていくことになってしまいます。
極論ですが、「ある程度いい車を手に入れたら他のことを追い求めた方が良い」みたいなことになります(笑)
また、愛情や思い出も同じです。
愛情や思い出ばかり際限なく求めて、ちゃんとお金を稼がなかったり、健康に気を使えないほど愛情を求めるのもおかしな話です。
私のスポーツへの欲求にも「十分満足ライン」があります。
野球のレフトオーバーは、草野球で年に1回あればOKですし、バドミントンのダブルスのスピード感は自分と同じレベルの人と試合できれば十分です。
その代わり、仕事や起業することに関してはもっと大きなことをしないと満足できないのでそちらに時間をかけているということですね。
欲求を把握できれば行動選択だけでなく、行動に費やす時間などのリソース分配もできるようになります。
じっくり時間をかけて「十分満足ライン」を設定していきましょう!欲張らないように^^
⑤強い欲求に丸をつける
最後に、強い欲求に〇をつけましょう。
これは人生で重要な欲求だな、と思ったら〇を付けます。
十分満足ラインを設定しましたが「まぁ満たされなくても支障ないかな」と思える欲求もあるはずです。
把握しておく必要はありますが、後回しでもいいものもあります。
※だいたいの欲求は他の欲求が満たされることによって同時達成されていきます
重要なものを意識しておくと欲求の犠牲による被害が少なくなります。
紙に書いて把握していても犠牲にしてしまうことがありますからね。
大事なものは必ず守るように意識していきましょう。
まとめ
お疲れさまでした!かなり大変ですよね。
この長ったらしいページを見て全部実践する人がいるのか疑問が残ります(笑)
ここで作った欲求リストのことを「自己貢献リスト」と呼びます。
自分のために満たすべき欲求が書いてあるリストなので、自己貢献のためのリストということです。
はっきり言って、このリストに人生でやるべきことが全て書いてある言えます。
これだけやれば人生最高だ!と言えるということです。
しっかり欲求が全部書き出せていたら、他に人生でやることは無い、ということです。
仕事は人生の起きている時間の半分を費やします。
つまり、自己貢献リストに書いてあることをたくさん満たすような仕事を見つけたら、仕事は楽しくなるということです。
しかし、これらの欲求を全部仕事に含めるのは難しいので、まだ仕事を決定できません。
次回は、欲求を全部満たすことができるライフスタイルを決定します。
お楽しみに!